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第220話 黒竜を縛る毒の檻①

作者: 花柳響
last update publish date: 2026-06-26 06:00:47

 その時だった。

 頭上から響いていた地鳴りのような重低音が、限界まで張り詰められた弦が弾けるような甲高い破砕音へと変わった。

 真っ白な面発光パネルの隙間から、一筋の巨大な亀裂が走り、直後、爆発的な風圧とともに天井の構造物が一斉に大理石の床へと降り注ぐ。真っ白なプラスチックの破片とスチールの骨組みが激しい音を立てて砕け散るその真ん中に、凄まじい熱量を帯びた漆黒の塊が滑り込んできた。

 黎だ。

 ウールコートの裾は雨と激しい動きで無残に引き裂かれ、シャツの第一ボタンは引き千切られたまま、太い首筋が露わになっている。長い銀髪は乱れて顔にへばりつき、その奥で光る黄金色の瞳は、怒りのままに周囲の白い空間を射抜いていた。

 床に落ちた天井の残骸を硬い革靴の底で踏み砕き、一歩、前に踏み出そうとする。

 しかし。

 タン、と靴底が大理石に触れた瞬間、黎の大きな身体が、まるで目に見えない厚い壁に正面から激突したかのように、その場でピタリと停止した。

「……っ、が、は…&he
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